「返報性の原理」が最強の心理学という認識が多いかもしれませんが通用しない人はいます。
それぞれ特徴みていきましょう。
返報性の法則が通用しない人の特徴
パターン①返報性の法則を熟知している人
返報性の法則を知っている人は、その仕組みを理解しているため、意識的にお返しを避けることがあります。特に営業の場面で「売り込み」を感じた場合、「押し付けられた」と感じ、逆に拒絶反応を示すことがあります。
パターン②自己中心的で特別扱いを期待する人
自己愛が強い人や「自分は特別であるべきだ」と考える人は、他者からの好意を「当然のこと」と捉える傾向があります。
このような人は、お返しをする意識を持ちにくく、返報性の法則が効きにくいと言えます。
パターン③好意を受け入れる準備ができていない人
過去の経験や心理的な要因で他人を信じられない人は、好意を「裏があるもの」と疑い、返報行動を起こしにくくなります。
返報性の法則とは?基本概念と身近なシーン
返報性の法則の定義
返報性の法則とは、「人は他者から好意を受けると、その好意を返したいと感じる心理的メカニズム」を指します。心理学の基本理論であり、営業やマーケティング、恋愛や人間関係で広く応用されています。たとえば、贈り物をもらうとお返ししたくなる感覚や、親切を受けたときに感謝の気持ちを示したくなるのもこの法則によるものです。
【身近に見る返報性の法則】仕事、恋愛、人間関係
この法則はこのような場面でよく観察されます
- 仕事クライアントに無料の資料や試供品を提供することで信頼を築く。
- 恋愛小さなプレゼントや気遣いをすることで好意を引き出す。
- 友人関係親切を受けることで、その友人に対して親切であろうとする。
返報性の法則が効かない場面と心理的背景【対処法つき】
相手が特に何も求めていない場合
相手が興味を持っていないものや不必要なものを差し出すと、逆に迷惑がられ、返報性の法則が機能しません。
たとえば、高額な商品のサンプルをもらったとしても、自分には全く不要であればお返しをしようという気持ちは湧きません。
営業での対処法①比較意識を刺激する
「他の人はこのサービスを使って、○○の問題を解決していますよ」と伝えることで、相手に“自分もそうすべきか?”と考えさせる。
営業での対処法②リスクを認識させる
「今のままだと○○のデメリットがあるかもしれません」と、放置すると損をする状況を示す。
営業での対処法③限定性を強調する
「今なら○○の理由で○○がついてきます」と希少性を強調し、今すぐ動く理由を作る。
恋愛での対処法① 他の選択肢を意識させる
✔ 他の人に好かれている雰囲気を出す
例えば、他の異性と楽しそうに話している姿を見せることで、「この人、魅力的なのかも」と思わせる(カクテルパーティー効果)。
✔ ちょっと距離を取る
いつもそばにいると「いて当たり前」になるので、少し距離を置くことで「最近あの人どうしてるんだろう?」と気にさせる。
恋愛での対処法② 今動かないと後悔するかもと思わせる
✔ 「もうすぐ恋人ができそう」な雰囲気を出す
→ 「最近ちょっといい感じの人がいるんだよね」と匂わせると、相手が焦って意識し始めることがある。
恋愛での対処法③ 今しかない感を出す
✔ 期間限定の接点を作る
→ 「今度○○に行こうと思ってるんだけど、一緒にどう?」など、期限がある誘いをすると、相手が決断しやすくなる。
✔ 特別感を演出する
→ 「こういう話、○○にしかできないんだよね」と言うと、相手は「特別な存在かも?」と意識するようになる。
自然な関係を崩す「見返り感」が透ける場合
相手が「見返りを期待している」と感じた場合、好意が純粋なものと受け取られず、返報行動が抑制されます。
この心理的抵抗は特に敏感な人や警戒心が強い人に多く見られます。
営業での対処法① 無償の価値提供を先にする
すぐに売ろうとせず、「この人は本当に役に立つことを考えてくれている」と思わせる。
✔ 無料で役立つ情報を提供する(ブログ、LINEでのワンポイントアドバイスなど)
✔ 問題解決のヒントを伝える(「他の人はこうやって解決しましたよ」など)
✅ OK例「この情報を知っておくだけで、今後ムダなコストを防げますよ!」(純粋に価値を提供)
営業での対処法② 見返りを求めないフレームを作る
→ 提案ではなく「選択肢」として伝える。
✔ 「購入しなくてもOKですよ」感を出す
✔ 他の選択肢と比較して、自然に自分の商品が良いと思わせる
✅ OK例「こういう選択肢もありますが、○○さんの状況なら、これが合うかもしれませんね」
恋愛での対処法① 好意を押しつけず、ナチュラルに振る舞う
→ 「好きだから尽くしてる」ではなく、「自然にやってる」感を出す。
✔ 相手が喜びそうなことを“さりげなく”やる(押しつけない)
✔ 大げさな見返りアピールをしない(「こんなに頑張ったのに…」はNG)
✅ OK例「たまたま見つけたから、○○が好きそうだなって思って!」(軽い感じで渡す)
恋愛での対処法② 価値を感じさせた上で“引く”
→ ずっと尽くしていると、「いて当たり前」になるので、一定のタイミングで距離を取る。
✔ 相手が気にし始めたら、少し引く(「あれ?最近何か変わった?」と思わせる)
✔ 自分の世界を持つことで、相手に追わせる流れを作る
✅ OK例「最近ちょっと忙しくてさ〜(でも余裕がある雰囲気)」
神経経済学から見る「オキシトシン」と返報性の関係
返報性の行動は、オキシトシンというホルモンの分泌と関係しています。
しかし、ストレスやトラウマが原因でオキシトシンの分泌が妨げられる場合、好意を受けても返報行動が起きない可能性があります。
営業での対処法① まず「安心感」を作る
オキシトシンが分泌される環境を整えるために、いきなり売り込むのではなく、信頼関係を構築する。
- ゆっくり話す・共感を示す(急かすとストレスが増える)
- 相手の話をよく聞き、「自分は理解されている」と思わせる
- 親しみを持てる雑談やアイスブレイクを入れる(緊張をほぐす)
営業での対処法② 「強制」ではなく「選択」を意識する
「買わせよう」とするとプレッシャーがかかり、ストレスが増す。
- 「こういう選択肢もありますが、○○さんにとって何がベストですかね?」と質問形式にする
- 少し時間を置くことで、相手が自分から決断できる環境を作る
恋愛での対処法① 相手の安心感を優先する
相手がストレスを感じていると、オキシトシンが分泌されにくく、返報行動が起きづらい。
- 相手がリラックスできる環境で接する(プレッシャーをかけない)
- 共感を示し、相手の話をよく聞く(アドバイスではなく、受け止める)
- スキンシップ(軽いボディタッチなど)を取り入れる(オキシトシン分泌を促進)
恋愛での対処法② 「期待」を薄めることで警戒心を下げる
好意を押し付けるとストレスになり、返報性が機能しない。
- あくまで自然に接する(過剰なアピールはしない)
- 相手に「選択の自由がある」と思わせる(「いつでも連絡してね」くらいのスタンス)
返報性の法則の落とし穴は【期待しすぎること】

好意の「押し売り」が招く逆効果
相手にとって過剰な好意や負担となる行動は、関係を悪化させる可能性があります。
たとえば、頻繁な贈り物や過剰な気遣いは、返報性を感じさせるどころかプレッシャーになります。
長期的な信頼関係構築への影響
短期的な効果を狙いすぎると、長期的な関係が損なわれるリスクがあります。
相手に余計な期待を抱かせないことが重要です。
返報性の法則と似た心理トリガーとの比較
ミラー効果 共感の力
相手の行動や感情を映し出すことで信頼関係を築く心理トリガーです。返報性と異なり、純粋な共感に基づいています。
好意の法則 相手に与える安心感
自分に好意を持っている人に対して、自然と好意を返す心理です。
返報性の法則と重なる部分もありますが、こちらは感情的な要素が強い点が特徴です。
権威性 影響力の別の形
専門知識や地位などの権威を示すことで相手を動かす方法です。
返報性とは異なり、心理的な「負い目」を利用するわけではありません。
返報性の法則を上手に使いこなすには?
返報性の法則は、心理学的な理解を深めることでさまざまな場面で応用できます。
しかし、相手のニーズを無視したり、過剰な期待をしたりすると逆効果になることもあります。
相手との関係性を重視し、見返りを求めない純粋な好意を示すことで、返報性の法則を効果的に活用することが可能です。
あくまでも、信頼関係が前提にあるということですね!!
この記事では、心理学理論としての返報性の法則を深掘りしつつ、実生活での活用方法や注意点について具体的に解説しました。
適切に理解し使いこなせば、仕事や人間関係、恋愛において大きな成果を得られるでしょう。